#41 ハムストリング肉離れのエコー動態評価方法
Jan 06, 2024スポーツトレーナーを目指している方からよくこの質問を受けます。
✅Q:ハムストリング肉離れ競技復帰の判断材料は何ですか?
✅A:数年前から、競技復帰を判断する際に超音波エコー評価を加えています。
⚫️症例 サッカー選手のハムストリング肉離れ
・サッカー選手
・ハムストリング近位の肉離れ(ドクター診断)
・大腿2頭筋長頭BFlhと共同腱CTの筋腱移行部損傷
⚫️経過4週のエコー観察
・伏臥位 膝軽度屈曲
・ 等尺性収縮
・ 超音波エコー観察 (赤丸)部分が、動きが一体となって“いない“ように見える
⚫️身体所見
・ 前屈 ストレッチ痛ハムストリング左右差なし
・SLR(ストレッチ)痛みなし
・股関節屈曲 膝伸展 ストレッチ痛あり
・股関節屈曲 膝伸展からの膝屈曲 力弱い 違和感多少
⚫️評価(ドクター診断含む)
筋肉と腱の修復が不十分と考える。スプリントを禁止し、JOG・筋トレ・アジリティー・競技トレを段階的に進めます。 あと2週(経過6週)で、試合復帰を希望していましたが、現段階では再発リスクが高くなると評価。
⚫️もしエコー評価がなかったら??
当初から6週で復帰できるかどうか位と考えていました。4週で最初あった痛みは既に感じていません。しかし、ストレッチ痛と筋収縮時痛の軽減する経過から、エコー評価がなくても6週復帰はリクス高いという判断になっていたと思います。
エコーを見てその判断を支持する根拠が増えました。
⚫️選手への伝え方
エコー評価があったことで、選手に伝えるニュアンスが違います。
❷「リスク高くやめといた方がいい」と伝えるが「リスクあってもやりたいか」本人の意思を確認する
その判断、中途半端だなーとか、なんか違うんですか?って思うかもしれません。しかし、長年RTP(競技復帰)の最終判断をしていると、キッパリと判断できないことが多いんです。 10人中9人は、正常に復帰します。
しかし、中には再発を繰り返す選手がいるのです。そういう選手を無くしたいので日々研究しています。
⚫️肉離れが再発する理由
肉離れは痛みが消えたからだけで復帰すると、再発リスクが高くなると考えられます。 超音波エコーの画像は再現が難しく、また一体となっていなく見える動きは、組織上どうなっているか等はまだまだ研究が必要です。
ですが、超音波エコーで一体となっていない画像をみると
・無理に動かしていると組織は修復しないだろうな〜
・修復していない組織は再発しやすいだろうな〜
・最初の肉離れが修復出来る最後のチャンスか?(最初の肉離れ時の組織修復が重要)
という思いが強くなります。
⚫️ハムストリング肉離れ競技復帰する基準
私の肉離れの復帰基準は
②腱損傷有無
③経過時間
④痛みなど所見
⑤超音波エコー評価
で判断しています。